2014年1月14日火曜日

Stephen Malkmus & The Jicks - Wig Out At Jagbags



ん、良いアルバムだった。僕はもはやこの人の作品を俯瞰して聴くことは不可能だし、活動してくれてるだけで嬉しい。

音楽自体は人生においてほとんど関わって来たけれど、それが最も重要だった時に最も好きだったアーティストであるし、それは今も同じであって、だからStephen Malkmusという人物そのものに惚れていて、今作を聴いて、その気持ちが変わってないことを再確認させられた。

『Wig Out At Jagbags』のリリースが発表された時、僕は余りネットをしっかり見れる様な状況じゃなかったので(仕事的に)、おー、出すのかー!まだJicksやってたのかー!と単純に嬉しかったんだけど(前作出した時にこのアルバムの後JICKSとしての活動を一旦一区切りにするみたいな記事みたことあったから)、いや、普通に、出すってインタビューとかでも言ってたんだね。好きなのに全然追えてなかった笑。

マルクマス自身におけるJICKSとPAVEMENTのキャリアでの音の違いとしては、僕の中ではほとんど一緒だと思っているんだけど、(セッション的で言葉遊び巧みでそしてニヒルな感じ?)、どっちかというとJICKSでは音が重たいというか遊び心がトゥーマッチな印象で、まあよりプログレッシブなイメージだろうか。今作もそういった側面はしっかりとあって、PAVEMENTのキャリアでは見せなかった様な展開が多い。ただ、前作の『Mirror Traffic』からだけど、曲自体は歌モノが多い印象だ。で、作曲の方法とか変わったんかな?って思ってたんだけど、どうやら「プレイスホルダー」らしく、曲を作る際に大まかな歌詞とかは決まってるっぽいんだけど、全部後付けとのこと。なんだ変わって無いじゃん笑。

僕が彼のことを尊敬する理由として、考えがブレないこと。インディー至上主義。メインストリームに対して時にアイロニカルで、時にニヒルだ。それが結果として彼のソングライティングのセンスに繋がってると思っている。

PITCHFORKのインタビューで90年代のカルチャーと今について触れられる質問があった。彼を90年代の人として見るのはどうかと思うけど、ピッチ的にもそんなの承知のうえで半ばギャグで言った質問だろうけど笑。

でも、彼の答えで印象的だったのは、今は何百万という音楽で溢れているが故に、沢山のインディーミュージックがThe Velvet Undergroundの如く日の目を浴びない。ただ、それが僕たちの時代なんだ。と言ってたこと。インディーファンでマルクマスを知らない人はいないと思うけど、メインストリームに彼の名前が挙がってこないのは寂しいとは思う。だけど、それが今の僕らの時代なんだと思うし、そこはニヒリズムに考えて行きたいと思っている。とにかく最高だったな『Wig Out At Jagbags』。

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