2014年7月10日木曜日

Alex G - DSU


ずジャケが良い。そして何といってもこのクオリティで【name your price】でリリースされているということ。フィラデルフィアのソングライターAlex G(本名はAlex Giannascoli)。フィリーは良いアーティストが本当に多い。彼は所謂ベッドルーム・ローファイ・ミュージシャン。キャリアを辿ると、2010年くらいからずっとフリーで作品を量産していて、今作がようやくレーベルからのリリースになる。所属レーベルOrchid Tapes自体がかなりDIYだから今回もフリーで音源自体は公開されているんだけど。

多分彼が大きくフィーチャーされたのはFADERで『Who Is Alex G?』という記事が公開されてからだろう。現存するシンガー・ソングライターで最もシークレットなインターネット・グッド・ミュージシャンというフレーズは流石に引っかかるものがあって、聞いたら案の定その通りだった。まあ、後は僕の知り合いのUSアーティスト・マネージャーからの紹介というのもある。音源が送られてきて、初めて聞いたときの衝撃は未だに忘れない。

良質な宅録ミュージシャンは今までに沢山聞いてきた。パッと思いつくのはThe Microphonesとかだろうか。あとは、有名なのだとBeckだってそうだ。ベッドルーム・ポップ全盛期に彼が出ていれば恐らく一番評価されていた可能性だって高いだろう、そのくらいの良作だと思う。

アルバムそのものとしては、まるで60年代からのアメリカの音楽の歴史を一望出来るような作品だ。ただ音はあくまで今の音。それでいて、最近の作品にありがちな薄っぺらさが無いと思う。何となく心に刺さるものがあるのだ。21歳が作った作品には思えないバラエティ、そして音楽の背景が伝わってくる素晴らしい作品である。フリーでも聞けるので一度聞いてみては如何だろうか。

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